「メディアスタジオ実習Ⅰ/メディア・ジャーナリズム論実験実習Ⅶ」(学府・教育部授業)において製作された作品「よみがえる明治の西洋レシピ〜築地居留地の今昔物語〜」が、東京ビデオフェスティバル2023において見事入賞をしました。入賞したのは、情報学環教育部に在籍した4名(東出りささん、顧羽さん、佐野ちあきさん、直島朋弘さん)による制作チームです。さらに、卒業生の中崎太郎さんによる「香港人」も同じく入賞を果たしました。東京ビデオフェスティバルは、誰もが参加できる“市民による市民のための映像祭”という基本理念のもと、今年で14回を数える映像祭です。こうした有意義なプロジェクトにメディアスタジオが少しでも関わる事ができてありがたいです。今後もこのような、良い作品が生まれるよう、スタジオスタッフとしても出来る限り協力してゆきたい思いを強くしました。
東出りささんコメント
6年前、明治維新で料理人になった元サムライが遺した当時の西洋家庭料理のレシピ集「築地居留地の料理人」と出会い、漫画や映画にしたいと長年あたためていました。ドキュメンタリー制作をきっかけに、元サムライの曽孫で編著者の村上隆さんや築地居留地研究会のご協力を得て、さらに深く取材でき、夢実現へ大きく羽ばたきました。優秀なチームメンバーにも恵まれ、日笠先生の的確なご指導もあり、巧みな映像編集で重層的で複雑な歴史背景がわかりやすく伝わるところも高評価のポイントでした。築地教会の田中さんの応援で料理再現の会ができ、今と昔、地域、食のつながりを感じる素敵な映像作品です。名前を挙げた以外にも、たくさんの方々に協力いただきました。感無量です。貴重な機会を本当にありがとうございました。これからもがんばります。
日笠先生コメント
学生の皆さん、TVF2023受賞、おめでとうございます。立ち上げ当初は、膨大な情報の中から構成要素を絞り込むのに苦労していた様子でしたが、リサーチや協議を重ねるうちに伝えたいメッセージが明確になっていった印象があります。番組制作は、リサーチ~仮構成~取材交渉~撮影~構成~編集~ナレーション収録~BGMの選曲…と多岐にわたりますが、4名がそれぞれの経験や得意分野を生かして仕上げました。現在と過去を行き来する一見複雑な構成は、ナレーションを男女で読み分けたり、テロップやBGMで場面転換を明確にしたりして乗り切りました。映像表現が難しい明治時代の描写も、巧みな編集とCG等でよく表現できていたと思います。
(山内隆治)