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地方の時代映像祭 優秀賞受賞!

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「メディアスタジオ実習Ⅰ/メディア・ジャーナリズム論実験実習Ⅹ」(学府・教育部授業、日笠昭彦先生)において制作された作品「終わらない過去に生きる~おれたちの伝承館」が、「地方の時代」映像祭の市民・学生・自治体部門で優秀賞を受賞しました。受賞したのは、情報学環教育部の稲永真守梨さん、総合文化研究科の塩田実咲さん、学際情報学府の丁可さんです。「地方の時代」映像祭は、1980年から今年で45回を数える歴史ある映像祭です。同授業において制作された作品が受賞をするのは、今回で4度目です。ドキュメンタリー作品の制作に興味のある方は、是非、受講をお薦めします。
受賞作のダイジェスト版はこちらからご覧いただけます。
(山内隆治)

丁可さんコメント
本作は、小高という土地に残された記憶のかけらと、三人の語り手の証言を通して「帰還」という現実を描いた作品である。愛する畑に戻った女性農家、置き去りにせざるを得なかった牛たちを悼む元酪農家、今も線量計を手に地域を歩き続ける元原発作業員——それぞれが背負う喪失や葛藤、そして小高への深い思いが静かに交差していく。
今回の受賞は、私たちの仕事そのものよりも、被災の痛みを抱えながらも必死に語ってくださった三人の存在が評価されたのだと感じている。14年という歳月を経て、ようやく言葉にできる人が出てきた。その声に耳を澄ませることこそに意味がある。受賞は、こうした物語に確かな価値があることの証明でもある。
「記録は続くよ、どこまでも。」

日笠先生コメント
わずか10数回の授業でドキュメンタリーを作り上げるのは容易なことではありません。3人は抜群のチームワークでその困難を乗り越えてくれました。避難生活で何度も転居を繰り返した女性は、多くの農家が農業を断念した土地で「ずっと死ぬまで土に触っていたい」と優しい笑みを浮かべながら語ってくれました。ある酪農家は、干し草が尽きて柱をかじりながら死んでいった牛を弔うかのように、自宅の敷地に「無念の碑」を建立しました。被災者の皆さんが口にした言葉や表情から、取材陣に寄せた信頼が伺えます。3人は、福島へ通う道すがら様々な意見を戦わせたと聞いていますが、その真摯で濃厚な時間が、記憶を記録に残す手助けをしたのだと考えます。