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今月のDVD「日本文化の源流」
メディアスタジオ所蔵のDVDライブラリから、本日は『日本文化の源流』を紹介します。
情報学環では、2009年2月に開催されたシンポジウム「岩波映画の1億フレーム」を皮切りに、記録映画を巡るシンポジウム、ワークショップ、上映会を重ねて来ています。今年2024年の3月には、時枝俊江監督の『夜明けの国』の研究上映会を開催、有意義な会が催されました。
この一連のプロジェクトである、<記録映画アーカイブプロジェクト>の根幹を成すのが岩波映画製作所の映画群です。同社は、日本を代表する記録映画製作会社でしたが、残念ながら1998年に解散を余儀なくされました。現在、残された映画は、研究の対象として同プロジェクトが活用しています。
今回紹介する『日本文化の源流』は、その岩波映画製作所が製作した、約17分のテレビシリーズです。高度経済成長を迎える直前の1959年~60年に、当時の日本に現存した工芸、手仕事、祭り等を取り上げ、日本文化の源流を探り、映像に留めることに成功した第一級の映像記録です。全50タイトルの一部を紹介すると
「花火」「バイオリンをつくる」「寄席の人々」「盆栽」「将棋の駒」「鷹匠」「輪島塗」「調教師~競馬馬をつくる人」「歌舞伎の小道具」「かつら」「ガラス細工」「筆と墨」「結城紬」「久留米かすり」「黄八丈」「江戸小紋と伊勢型紙」「浮世絵の復刻」「出雲かぐら」「花まつり」「黒島の踊り」「小河内の獅子舞」「京のたべもの」「伝統に生きる町~金沢~」などなど
中でも、「輪島塗」というタイトルの作品には注目せざるを得ません。
この1月の震災を受けて、テレビの映像などで、建物など、眼に見えるものの消失をうかがい知る事は出来ますが、眼に見えない何が失われてしまったのか?何を取り戻さなければならないのか?輪島に限らずこれから、我々は何を守らなければならないのか?そんなことを、<源流>から辿ってみては如何でしょうか?
(山内隆治)