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ドキュメンタリー『銅山の村』

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今回は、学際情報学府ITASIAコース博士課程で、映像人類学的な観点からドキュメンタリー映画を製作しているディペシュ・カレル(Dipesh Kharel)さんについてご紹介します。

ネパール出身のディペシュさんは、ノルウェーのトムロソ大学で映像人類学とドキュメンタリー映画研究で修士号を取得。近作の『銅山の村』(2015)では、西ネパールにある銅山の村の人々の暮らしを撮影しました。村では、グローバル化の影響で銅産業のみならず伝統的な言葉や文化も失われつつありましたが、国外に出稼ぎに出て戻ってきた人々が新しい知識や考え方を村に持ち帰り、カースト制による差別が減るという変化もありました。ディペシュさんはこの村に3ヶ月間暮らしながら、彼らの文化を学び、集めた記録をもとに作品を作り上げました。この作品は、山形国際ドキュメンタリー映画祭2015などでも上映され、非常に高い評価を受けました。

ディペシュさんは現在、2つのドキュメンタリー作品の制作に取り組んでいます。一つは、北インドに暮らす異なる宗教を信じる人々たちが共に暮らす日常を描いた作品。もう一つは、2015年に起きたネパール大地震とそこに暮らす人々を描いた作品です。ディペシュさんの今後の活躍が期待されます。

(丁智恵)